約束までの時間を有意義に過ごすための独り談話室

離婚されるそうなので一人暮らし準備の為の心構えと今までの回想録(メモワール)

砂に眠る街を探す、長い夢をみる

中学生のころ、何かのテレビ番組だったかで、中国の西域に「楼蘭」というところがあった、というのを知った。

その後いくつかの特番が組まれたり、その頃久保田早紀さんというシンガーソングライターの唄う「異邦人」という曲にもシルクロードを連想させる香りがあり、にわかにシルクロードから続く中東、トルコへとつながる世界の架け橋的異国情緒漂う雰囲気に、酔った。

それまで外国=アメリカだった日本人の目が、天竺方向(その頃、堺正章主演の「西遊記」も演っていて、ゴダイゴが唄う「ガンダーラ」もその路線だったので、欧州とは違う西国は天竺方向かと勝手に解釈する)に何世紀もかかって戻ってきたのだ。

とかいいつつ、ワタシはガチガチのグリム童話育ちゲーテ文学大好きベルばらの嵐をこの身に受けてきたヨーロッパかぶれだったので、全然詳しくはない。

ただ、「楼蘭」についての在り方がなにかとても幻想的で、引き込まれたのは憶えている。

砂漠の砂に埋もれてしまった、繁栄を極めた交易都市なんて、夢のようだと思った。

そこで発見されたミイラとなった彼女なぞ、

何年も経って後世の人間の目に触れるとは思わなかっただろうに。

何故、楼蘭が砂に埋もれたかとか、

その女性の復元なぞはあまり興味なかったが、

少しずつ砂に隠れていく楼蘭の廃墟を夢想しては、その時間のそこの場所に行ってみたくなったものだ。朽ちてゆくものがただ朽ちるのではなく、誰の目にも触れないように、優しく風と砂が覆い隠していくなんて、お伽話のようだった。

亡父はモンゴルの草原文化やチンギス・ハーンに憧れていて、そういった特番も夜中まで見せてくれたので、眠い目をこすりながらも降り積もる砂の中にゆっくりと眠りにつく楼蘭の街を想い、なんだか淋しいような、安心したような変な満足感に浸った。(衰退していく楼蘭を後にしなければならなかったその当時の町の人々には同情するが、悠久のロマンが押し寄せてきては過ぎてしまった時間についての責任はとれないし、砂に埋もれた事実もワタシのせいではないし・・・という無責任な子供だった)

 

どこかの探検家が見つけてくれるまでの長い間、ずっと眠り続けたかつての大都市は、研究者によって様々なことが解ってきているのだろう。

ワタシはそこに興味のフォーカスを当てず、

市場でブドウやナツメを売っていた少女が衰退する町を捨て、家族で東方に移ったとか、ロバを引いたキャラバンが中東を越える時に見ていた冷たい夜の星座だとか、町を出た才覚のある男が香辛料をもってトルコまで行き、欧州に根を下ろしたとか、妄想のような本当のような、そんな物語が知りたかったのだが、もちろんそれこそ知る術なぞない。

いつか、そんな結末すらないような風の向くまま的な、お話しを書いてみたい気もする。

 

今朝、何故か夢の中で西域を旅している夢を見た。

そこから話を引っ張り出したので、完全に夢想であり戯言である。