北総ロザリオ文芸部

タイトル一新です。離婚(予定)後の自由満喫と今までの回想録(メモワール)

子供を産んでくれる女性を大切にして

近隣エリアの他支店に勤務する正社員のA子さんが産休から復帰してきた。

 

20代後半の彼女はしっかり者の美人で賢い。

営業職から私達と同じ事務職に変わり、まだ1歳になったばかりのお嬢ちゃんの為に時短で仕事をしている。

専業主婦でぐうたらしていた(他の奥様がたの名誉の為にお断りしておきたいのは、ぐうたらでは本当に専業主婦など出来ない)自分が恥ずかしくなるくらい、

今どきの若い女性は仕事も育児も家事もこなす、素晴らしい奥さま達で溢れている。

 

それなのに社会、というか会社は冷たい。

A子さんのお子さんが風邪をひき、立て続けにA子さん本人もダウン、

当然業務に穴があくので、他の支店でカバーする。

そういう事が続くと、不思議なくらい内部から文句が出てくるのだ。

 

私達のチームのリーダーがキンキンした声でA子さんに電話をかけていた。

A子さんは更に1年延長の時短勤務を希望していたのだが、総務に却下され、

挙げ句チームリーダーにまでダメ押しで

「会社は正規であなたを雇っているいる以上、正規の時間で働いて欲しいのよ」

 

あーのーさー・・・・

 

いいじゃん!!時短勤務したって!

だってお子さん、まだ赤ちゃんだよ?

お母さんと一緒にいたいんだよ?お母さんのこと本当はいつも探してるんだよ?

抱っこしてもらいたんだよ?話しかけてもらいたいんだよ?

それが出来るのは、A子さんと彼女のご主人だけでしょ?

せっかく赤ちゃん産んでくれたのに、あんまりじゃないか?

 

仕事なんて、誰かがどうにか回せるもんだよ。

でもA子さんのお子さんには今の時期、A子さんだけが頼りなんだってば。

A子さんが必要なの。

 

それでも同僚のなかにはヒソヒソ話が蔓延中だ。

 

「A子さんが穴開けるとこっちまで回らなくなるんだよねえ。」

⇑それはアンタの能力不足や。てか誰もアンタに頼んでないし。

 

「A子さんが羨ましいわ。同じ業務どころか時短で私達の倍のお給料持っていくんだもの。」

⇑文句があるならA子さんと同じスキルを持って、就活して正社員になれ。なれないクセに。

 

「パートと同じお給料でいいから、時短にしてくれってA子さんが言ったみたいよ。

だったら近所でパートタイマーの仕事すれば良くない?」

⇑労働環境は他人の意見で左右されるものではない。

 

A子さんのように、赤ちゃんを産んでくれる女性は貴重だ。

国から援助が出てもいいくらいだ。

というか働き方改革だとか言うなら、女性を家事から開放しろ。なんでもタダでやると思うな、女中や家政婦じゃないぞ!

女性だからという理由でワンオペ育児させるな!男性も育児参加できるように賃金と時間を調整しろ。タワマン作るぐらいなら保育園をつくって無償にしろ。バカでかいスーパーは要らないから公園と遊び場を造れ。出産費用の一時負担も馬鹿らしいので廃止しろ。未成年は医療費タダにしろ。産休後の復職も保証しろ。赤ちゃんが電車で泣きわめいたくらいで迷惑顔するな、大人のほうが余程迷惑行為(道端に痰吐くな!鼻をすするな!出入り口付近のドアの前に立つな!)しているぞ。ってかオマエもかつてはおもらししながら泣きわめく赤ちゃんだったことを絶対忘れるな!

 

仕事も育児も楽しみたい、というのは決しておかしな事ではない。

むしろそれが当たり前ではない社会の方がおかしいのだ。

 

人口が減っている、すなわち出生率がとんでもなく落ちている。

ねえ、これから誰が国を回していくと思ってる?

赤ちゃんが増えないイコール亡者の国だよ?大丈夫?

 

だけどこんなシステムでは、A子さんのような女性はますます肩身が狭くなり、

子供を産む意義が見いだせなくなるのだ。

 

お年寄りももちろん大事にしなきゃいけないけど、

これから生まれてくるであろう新しい命や、その母体となってくれる女性全員をもっと大事にしなきゃいけない。

彼女たちは自分のためだけに産む訳ではないのだ。

なにも生み出さない、育まれないこの偏った世の中で、

私達は醜く老いさらばえていくのだ。

 

そんな恐怖が待っているとは知らずに、

どうでもいい業務の穴を心配する管理職にため息とともに、絶望しか、ない。